CRAZY ABOUT

人目を気にせず、好きであれ

もしもSNSがなかったら。

 世の中には切っても切り離せないものがたくさんある。たとえば、土用の丑の日は?ウナギ。ファイト~は?一発。もこみちは?オリーブ。痔には?ボラギノール

そして、いつの間にかSNSも私たちの日常から切り離せないものになっていた。

もし仮にSNSがない世の中だったら、世界はどうなっていただろう。

未だに好きな子からの連絡をメール問い合わせして、ドキドキしていたし、直接連絡先を聞かずに、ラインのグループから拝借するようなこともないし、何十年も会っていない友人に年に一回、誕生日おめでとうを言ったり、もらったりすることもなかった。

そんなパラレルワールドの世界に思いを馳せるイベントがあった。

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場所は3331 Arts Chiyoda。(http://www.3331.jp/about/)
旧練成中学校をリノベーションして誕生したアートセンター。

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訪れてみると、そこには学校の面影がある。廊下を歩くと鳴る、独特な音。教室に入ると感じる、教室の匂い。かすんだ鏡に映る等身大の自分。学校の息遣いが自然と聞こえてくるような感じ。初めて行くはずなのに、初めてじゃない。なにもしてないのに、土足で廊下を歩いているだけでなんか悪いことをしている気分に。

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そんな童心に帰れる場所で開かれたのが、「もしもSNSがなかったら」展
conceptは

‘もしSNSがなかったら世界はどうなっていただろう?’
SNSが空気のように存在する今
SNSがある世界/SNSがない世界について
考えてみんなで作る展覧会

出迎えてくれたのはイラストレーターたなかみさきさんの作品。

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女優、創作あーちすとの、のんさんの作品「平らな形」

沢山の人の思いが存在していることを私にも知らせてくれるSNS。それが無かったら、上手く自分の表現を形にする事ができなかったかもしれない。どこを向いているかも伝えられない、ちぐはぐに並べられて平面的にしか映らない世界では、自分のやりたい事に突き進んでいく無鉄砲さは生まれなかった。

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ただの母音と子音の組み合わせのことばで、私たちはよろこび、かなしみ、いかり、そしてわらう。
言語はただのコミュニケーションツールでしかないと言う人もいるが、私たちは言葉でできている。

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もちろん、SNSは面白いことだけではない。会ったこともない人たちに、胸をぎゅーと掴まれるような嫉妬や悔しくなる言葉も散らばっている。

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そして燃え殻さんの作品

去年の今日、自分が思っていた不安と、期待と、どーでもよさが、

文字と写真と短い動画で記録される世界に僕たちは生きている。

 

SNSで繋がった誰か、気持ち、命があると思う。

SNSで分断された誰か、気持ち、命もあると思う。

 

僕と私とあの人の忘れるはずだった出来事、生き延びてしまった気持ちが、

本日もアーカイブされていく。

 

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そして最後に、この展覧会で一番心に刺さった言葉。

もしもの世界に思いを馳せる。
こっちとあっち。
あっちとこっち。
 
こっちの私たちがSNSがなかったらと思いを馳せるように
あっちの世界の私たちもきっと、
 
「もしもSNSがあったら、、、」
 
と思いを馳せているかもしれない。